機微 的个人资料そのひぐらし――雲に隠れ霞を食む――機微の巣窟。日志列表网络 工具 帮助

日志


2008/7/14

子供銀行券

 
 
水月「本気だよ? 私孝之のためなら何でもするよ?」
孝之「んー・・・そういわれてもなぁ・・・」
水月「ほ、本気だって!」
孝之「そうだなぁ・・・・じゃあこうしよう。明日までに5兆円持ってきてくれ。もちろん日本銀行券だぞ? 子供銀行券とかそんなもんじゃあ納得しないんだから。俺それで豪邸建てて土地買ってマンション建ててメイドさんやとってジャガー買ってポルポル君乗り回して茜ちゃんと健さんと末永く幸せに暮らすからさ。な?」
水月「・・・・」
2008/7/9

たなばた。

 
 
 
「土下座しろ」
 
織姫こと大空寺あゆは、そういって腕を組んだ。
彦星こと鳴海孝之は、それを聞いてため息を吐いた。
 
星々の流れる川に足をひたす。
一年前の逢瀬はどうだっただろうか、と益体もないことを考える。
 
「おい、きいてんのかヘタレ虫」
「あのな、一応聞いていいか」
「だめに決まってるやん。……ほんまもんのアホちゃう?」
「……」
 
会ってからそれほどの時間も経っていないのに、もう何度目か数えるのも嫌になるくらいのため息が口から漏れる。
相変わらず腕を組んだままで、ぴくぴくと小ぶりで上品な印象のある鼻腔を動かしながら、あゆが孝之を見下ろす。
それは、小躍りして逢瀬の場所に飛んできて、淑女に対する礼を取るなんてのは、孝之には無理な注文である。
多少は回るようになってきたとはいえ、鈍感ヘタレの称号をほしいままにするおつむでは気の効いた事は何も出来なくて。
 
「嫉妬したんか」
「……何に」
「……」
 
もうさっぱり分からなくなったあゆの思考に、孝之はさじを投げた。
 
「機に嫉妬しなさい」
「はぁ?」
「機に嫉妬しなさいというとんのじゃ、このボケッ」
「……」
「あ、あに黙ってんのさ。あ、あたしは毎日パッタンパッタンちちくりおうとるといってんだ」
「機とな」
「……」
 
ぴくっと孝之の大空寺センサーが、いじりポイントを知らせる。
川辺から立ち上がり、腕を組んでぷいと横を向いている大空寺に近づく。
 
「俺も毎日乳繰り合ってるぞ~。水月号と遙号と茜号となっ」
「……やん」
「ん? なんて?」
「…・・・そいつら牛やん」
「可愛いんだこれが」
「っ!」
 
びくっと大空寺の肩が揺れる。
それを見て孝之は何だかいいようのないおかしさを感じた。
もじもじとしていた大空寺が、どんと孝之に正面からぶつかってくる。
それをぎゅっと抱きとめてから、可憐な耳に唇を寄せて囁く孝之。
 
「牛に嫉妬したか?」
「…・・・するわけないやん」
「俺は機に嫉妬したぞ」
「あほちゃう」
「おう。あゆの前ではアホだぞ」
「・・・・・・キショイんじゃ、ぼけ」
 
柔らかく脇腹を抓られる。
爽やかな夜の香りがあゆの肩口から立ち上ってきて、孝之の鼻をくすぐった。
 
「キスしろ。そしたら許す」
「はいはい、大空寺様」
 
満天の星空を足元に見て、ゆっくりと細い顎に手をかけて、引き寄せる。
一年越しのキス。
 
「……あたしのこと好きか」
「愛してる」
 
一日が一年に延びる日。
七月七日。